
捻挫の放置が良くない理由
捻挫とは、関節が本来の可動域を超えてねじれて、靭帯や腱、軟骨などの組織が傷つくことを言います。特に足首や指など、可動域の大きい末端の関節で発生しやすい症状です。一見軽症に見える捻挫でも、適切な処置を行わずに放置してしまうと、慢性的な痛みや関節の不安定性など、重大な問題につながる可能性があります。
本コラムでは、捻挫を放置するリスクと、適切な応急処置の方法について解説します。捻挫の症状を正しく理解し、適切な初期対応を行うことでより早い回復と後遺症の予防が期待できます。
捻挫の放置が良くない理由
捻挫は日常生活でよく起こる怪我のため、「痛みが和らげば大丈夫」と考えて放置してしまう方が多いです。しかし、一時的な痛みの軽減が必ずしも完治を意味するわけではありません。むしろ、適切な治療を行わないまま放置することで、以下の問題が生じる可能性があります。
- 慢性的な腫れ、痛み
- 慢性的な関節の不安定性による捻挫の再発
- 関節炎の発生リスク増加
- 筋力低下、体のバランス不良
捻挫を適切に治療せずに放置すると、腫れや痛みが慢性化する可能性があります。特に、損傷した靭帯が正しく修復されないまま放置されると、関節の安定性が失われ、同じ部位に捻挫が再発するリスクが高まります。
また、捻挫の放置は関節炎のリスクを高めるだけでなく、患部をかばうことによる筋力低下や、バランス機能の低下といった二次的な問題も引き起こします。これらの症状が進行すると、手術が必要となるケースもあります。捻挫は軽症と感じる場合でも、早期に適切な治療が必要不可欠です。
捻挫の応急処置
捻挫が起きた際の初期対応として、「RICE処置」が有効です。RICE処置とは以下の4つの処置を指します。
- R(Rest):安静
- I(Ice):冷却
- C(Compression):圧迫
- E(Elavation):挙上
まずは捻挫した部分に負担をかけないようにして、安静に保ちましょう。氷嚢などを活用して、患部を冷やすことも大切です。
弾性包帯などを使用した圧迫は、腫れの抑制に有効です。ただし、血流を妨げないように適度な力で圧迫しなければなりません。また、患部を心臓よりも高い位置に保つことも、腫れの軽減につながります。
RICE処置を行ったあとは、できるだけ速やかに医療機関を受診しましょう。病院ではサポーターやギプスによる固定、痛みや腫れを抑える薬の処方、治癒後のリハビリテーションなどを受けられます。
なお、外傷性の捻挫ならば整骨院でも保険適用で施術を受けられます。しかし、すでに医療機関で治療を受けている場合は、医師の指示があるケースを除き、自費診療となります。
捻挫は早期の適切な処置が重要です。当院では、応急処置から再発防止の施術まで提供しています。スポーツや転倒による捻挫だけでなく、繰り返す捻挫にお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
- Q1:整骨院では捻挫に対してどのような処置をしていますか?
- A1:捻挫の程度にもよりますが、当院ではまず患部を固定して安定させるため、テーピングを行います。また、受傷直後ならばアイシングや圧迫の後、組織の回復を早めるための緒音波治療や微弱電流治療などを行います。ある程度痛みや腫れが収まったら、リハビリテーションに移行し、電気治療やマッサージ、筋力トレーニングなどを行います。
- Q2:捻挫を予防する方法はありますか?
- A2:運動前には必ずウォーミングアップを行い、関節や筋肉をほぐしましょう。運動強度や運動時間は無理に増やさず、コンディションにあわせて体を動かすことも大切です。また、ご自身の足に合った靴を選ぶことも、足首の捻挫予防に有効です。