
ヘルニアの種類と原因
ヘルニアとは、体内の組織や臓器が本来あるべき場所から飛び出してしまう状態です。腰の痛みでよく知られる腰椎椎間板ヘルニアをはじめ、実は体のさまざまな部位で起こる可能性があります。
日常生活の何気ない動作がヘルニアの原因となることもあり、誰もが注意しなければならない病気です。
本コラムでは、代表的なヘルニアの種類と、特に多い椎間板ヘルニアの原因をご紹介します。これらの知識は、痛みや不調の予防だけでなく、ヘルニアの早期発見にも役立ちます。
ヘルニアの種類
代表的なヘルニアの種類はそれぞれ以下のとおりです。
【鼠径ヘルニア】
鼠経ヘルニアは中年以降の男性に多く、脚の付け根にピンポン球のようなふくらみが現れます。
【大腿ヘルニア】
中年以降の女性に多い大腿ヘルニアは、鼠経ヘルニアよりも太ももに近い部分にふくらみが現れます。
【腹壁ヘルニア】
腹壁ヘルニアは、外傷や開腹手術後の合併症として起きることで知られているヘルニアです。多くの場合、おへそあたりにふくらみができます。
【椎間板ヘルニア】
椎間板ヘルニアは、背骨の骨と骨の間でクッション材の役割を果たす「椎間板」が飛び出した状態で、頚椎・胸椎・腰椎のいずれでも起きる可能性があります。飛び出した椎間板が神経を圧迫し、痛みやしびれのほか、排尿・排便障害などの神経症状を引き起こします。
椎間板ヘルニアの原因
頚椎・胸椎・腰椎それぞれの椎間板ヘルニアの原因をご紹介します。
頚椎椎間板ヘルニア(頚部ヘルニア)の原因
- 加齢
- スポーツ
- 姿勢の悪さ
胸椎椎間板ヘルニアの原因
- 加齢
- 激しい運動
腰椎椎間板ヘルニアの原因
- 加齢
- 姿勢の悪さ
- 喫煙
椎間板は「髄核」と呼ばれるゼリー状のクッションと、それを包み込む「繊維輪」と呼ばれる繊維性の組織によって構成されています。激しい運動や加齢などによって、髄核を取り囲む線維輪が弾力性を失うと、小さな亀裂が入り、そこから髄核が飛び出してヘルニアになります。
また、タバコに含まれるニコチンは、椎間板に悪影響を及ぼします。椎間板に栄養素を運ぶための毛細血管を収縮させて、椎間板をもろくしてしまいます。このことから、喫煙は椎間板ヘルニアのリスクを高める一因といえます。
椎間板ヘルニアの予防には、正しい姿勢を維持することが大切です。 長時間のデスクワークをされる方は、1時間に1回程度の休憩を取り、軽い首や腰のストレッチを行うことをおすすめします。長時間同じ姿勢にならないよう、意識することも大切です。
しかし、すでに痛みやしびれでお悩みの方は、我慢せずに病院や整骨院に相談しましょう。早期の適切な治療により、症状の改善が期待できます。当院では、一人ひとりの症状に合わせた施術プランをご提案しております。
- Q1:椎間板ヘルニア以外のヘルニアが疑われる場合、どこを受診すべきですか?
- A1:鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁ヘルニアが疑われる場合は、消化器外科を受診してください。椎間板ヘルニアの疑いがある場合は、整形外科を受診しましょう。
- Q2:腰椎椎間板ヘルニアに対する施術を教えてください。
- A2:当院では手技で筋肉をほぐしたり、ハイボルト治療でしびれを抑えたりする施術を行っています。一人ひとりの症状に合った施術をご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。